【4月25日 AFP】(更新)24日に決選投票が行われた仏大統領選は、現職のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)氏が極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首を下し、再選される見通しとなった。マクロン氏は勝利演説で、ルペン氏に投票した人々の「怒り」に応じると約束した。

 仏テレビ各局は、世論調査会社が票の一部に基づき予測した各候補の得票結果を報道。得票率はマクロン氏が57.0~58.5%、ルペン氏が41.5~43.0%となる見通し。

 両氏が対決した2017年の前回選挙の決選投票では、マクロン氏が66%以上を得票しており、今回の選挙では差が縮まった。比較的大きな差をつけたことで、マクロン氏は2期目に向け一定の自信を得られるが、フランスで極右が政権獲得にここまで近づいたことはかつてなかった。

 パリのエッフェル塔(Eiffel Tower)前で勝利を祝う集会を開いたマクロン氏は、「多くの国民が極右に投票した原因となった怒りや意見の相違に対し、答えを見つけなければならない。それが私と、私の側近の責任だ」と言明。1期目とは異なる「新たな方法」でフランスを統治すると約束した。

 マクロン氏再選の見通しを受け、欧州では大きな安堵(あんど)が広がった。英国の欧州連合(EU)離脱やアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)前独首相の退任が続いた欧州は、ルペン氏が当選すればかじ取り役がいなくなると懸念されていた。

 イタリアのマリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相は、マクロン氏の勝利を「欧州全体にとって素晴らしいニュース」だと歓迎。ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は、仏国民が「欧州を強く信任する票を投じた」と評価した。

 EUのシャルル・ミシェル(Charles Michel)常任議長(EU大統領)はEUが「また5年間フランスに頼ることができる」と表明。ウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)欧州委員長も「われわれの素晴らしい協力関係を継続できることをうれしく思う」と祝意を表明した。(c)AFP