【4月24日 AFP】ラグビー元南アフリカ代表のペドリー・ワネンバーグ(Pedrie Wannenburg)氏(41)が、米テキサス州オースティン(Austin)で複数台の車が絡む交通事故に巻き込まれて死亡した。一家の友人は23日、AFPに対してワネンバーグ氏は「心優しい巨人」だったと話した。

 現役時代はFLとしてプレーし、スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)で20試合に出場したワネンバーグ氏は、警察から逃走中の車に追突されて命を落としたと伝えられている。オースティンの警察によれば、容疑者は16歳で、停車指示を無視して逃走し、交差点でワネンバーグ氏が運転する車に追突した。

 ワネンバーグ氏は息子のフランソワ(Francois Wannenburg)さんと一緒に病院に搬送されたが、ワネンバーグ氏は助からなかった。他に同乗していた妻と娘に大きなけがはなかった。

 匿名を条件にインタビューに応じた南アフリカ・プレトリア在住の友人は「フィールドではくぎのように硬く、フィールドの外ではゼリーのように柔らかかった。心優しい巨人だった」と話し、「言葉が出てこない。ペドリーがもういないという事実をなかなか受け入れられない」と悲しんだ。

「彼はナイスガイで、家族と友人、ラグビーを愛していた。まだ若いのに、こんな悲惨な形で命を落とすなんてあんまりだ」

 ワネンバーグ氏は南アフリカ北東部のムボンベラ(Mbombela)出身で、同国のブルズ(Bulls)では99試合連続出場を果たし、スプリングボクスでは2002年から2007年にかけてプレーした。6年前に米国へ移住し、冷凍業界で働きながら地元チームのコーチも務めていた。(c)AFP