【4月24日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級タイトルマッチが23日、英ロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われ、王者タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が6回TKOで挑戦者ディリアン・ホワイト(Dillian Whyte、英国)を退け、王座防衛に成功した。

 フューリーにとっては今回が4年ぶりとなる母国での試合で、9万4000人の観客が勝利を見届けた。試合前からこの一戦限りで引退すると話していた33歳の無敗の王者は、勝利直後のインタビューで「これがジプシー・キング(フューリーの愛称)にとっての終幕になるかもしれない」とコメントした。

 フューリーは慎重な立ち上がりを経て試合の主導権を握り、相手の頭部とボディーに何発か有効打を打ち込むと、迎えた6回、初のクリーンヒットとなる強烈な右アッパーを当てて初のダウンを奪取。レフェリーがここで試合を止めた。ホワイトはラウンド終了まで残り数秒というところでの試合終了に不満があったかもしれないが、明らかに脚がふらついていた。

 身長206センチのフューリーは大柄な体格とリーチ差を生かして相手を懐に入れさせず、ホワイトもやりづらそうだった。

 フューリーは「応援に圧倒されている」と話し、「9万4000人の同胞が自分を見に来てくれたことが信じられない。チケットを買い、夜遅くまで起きて観戦してくれた全ての人に心の底から感謝する」と伝えた。

 そして「妻には(デオンテイ・)ワイルダー(Deontay Wilder、米国)戦が最後だろうと約束していたが、その後にウェンブリーでのファイトの話があり、そして自分はファンに借りがあった。何という去り方だ」と続けた。

 フューリーが予定通りに引退するのであれば、WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級王者のオレクサンドル・ウシク(Oleksandr Usyk、ウクライナ)か、同じ英国のアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua)との対戦は実現しないことになる。(c)AFP/John WEAVER