【4月23日 AFP】男子テニスの世界ランキング3位で、東京五輪王者のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は22日、ロシアとベラルーシの選手を除外したウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)の判断を批判する声に同調した。

 ウィンブルドン側は20日、ウクライナへの軍事侵攻を理由にロシアとベラルーシの選手の出場を禁止した。しかしながら、25歳のズブレフは、両国の選手が「ウィンブルドンでプレーすべきでない」とする「理由は何もない」との考えを示した。

 現時点でこの二つの国の選手は、それぞれの国名や国旗の下でのプレーを禁止することを条件に、男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)のツアー参加を認められている。

 一方、国際テニス連盟(ITF)はすでに、男子の国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)と女子の国別対抗戦ビリー・ジーン・キング・カップ(Billie Jean King Cup)に関して、両国の出場を禁止している。

 両親がロシア人で独ハンブルク(Hamburg)生まれのズベレフは、次週のBMWオープン(2022 BMW Open)に備える中で、ロシアとベラルーシの団体戦出場禁止は「完全に正しい」とし、「ロシアへの抵抗を意味するもので理解できる」と語った。

 その一方で、前日にウィンブルドンの判断は「完全な差別」と批判していたロシアの世界8位アンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev)を擁護した。

 友人であるルブレフと話をしたというズベレフは、ルブレフがロシアのウクライナ侵攻に反対の立場を表明していると指摘。同選手がウクライナへの支援も準備しているとして、「彼はこの戦争に反対している。賞金をウクライナへ寄付する予定だ」と明かした。

 ウィンブルドンの決定によって、男子ではルブレフと世界2位の同胞ダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)、女子ではベラルーシの世界4位アリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)ら強豪選手が、6月27日から7月10日まで開催される今年の大会には出場できなくなっている。(c)AFP/Ryland JAMES