【4月22日 CNS】北京冬季オリンピック・パラリンピック総括表彰式が4月8日、北京市で開催された。中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は大会に出席し、演説を発表した際、「北京冬季オリンピックレガシーをうまく管理・運用する」「冬季オリンピックレガシーの利用効果を最大化する」と表明した。

 北京冬季オリンピックの最大の遺産として、氷雪産業の発展があげられる。統計データによると、2015年北京冬季オリンピックの招致が成功してから2021年10月までに、中国住民のうちウインタースポーツに参加した人数は3億4600万人に達し、参加率は24.56%となり、「3億人のウインタースポーツ参加」という招致のビジョンが現実になった。

 氷雪産業チェーンは長く、多くのイノベーション・起業のチャンスと雇用を生み出す。近年では、氷雪の「冷え切ったリソース」が中国の多くの地域で「ホットな経済」に変身し、26省がウインタースポーツと氷雪産業の発展を促進する特別政策を発表した。

「中国氷雪産業発展研究報告」によると、2022年、中国のウインタースポーツ生産額は8000億元(約15兆9310億円)に達し、2025年には1兆元(約19兆9138億円)に達する見込みで、中国スポーツ産業全体の総生産額の5分の1を占めるという。

 北京冬季五輪組織委員会全体企画部レガシー管理処の劉興華(Liu Xinghua)所長は、北京冬季オリンピックの開催以来、国と地方のウインタースポーツ発展政策の環境が継続的に改善され、中国ウインタースポーツの発展の強力な支えとなっている。

 試合後のオリンピック会場施設の利用は、答えなければならない世界的な問題だ。北京冬季オリンピックは2008年北京夏季オリンピックの遺産をフル活用すると同時に、すべての新築会場は設計当初から、試合時の使用と試合後のレガシーとしての利用の二重の要件を考慮し、「会場レガシー計画」を作成した。

 北京冬季オリンピックの競技会場はすべて保存され、順次一般公開されるという。

 競技施設など有形文化財に加え、無形文化財や管理レガシーも形成されている。

 国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長はこれまで、北京冬季パラリンピックは中国に深い影響をもたらすだろうと述べた。中国には8000万人以上の障がい者がいる。北京冬季パラリンピックは開催都市のバリアフリー環境の向上をけん引し、包容性のある社会建設を推進している。

 北京市、張家口市(Zhangjiakou)はバリアフリー環境建設のための特別行動計画を打ち出し、バリアフリー施設の建設に一層力を入れ、交通、宿泊、商業、医療、観光、スポーツ・フィットネス、文化娯楽などの都市関連分野のバリアフリー環境を全面的に改善し、障がい者の移動と生活体験を改善した。

 今年の北京冬季オリンピック・パラリンピック競技大会期間中、京津冀(北京市・天津市<Tianjin>・河北省<Hebei>)地域及び周辺地域の重度大気汚染日数は、前年同期比で90%以上減少した。北京市・張家口市の微小粒子状物質(PM2.5)の平均濃度は、1立方メートル当たり36と22マイクログラムで、前年同期比でそれぞれ56.1%、50%低下した。中国生態環境部は、北京冬季オリンピック・パラリンピックをきっかけに、大気質の持続的な改善を推進し、「北京ブルー」「中国ブルー」を常態化させると表明した。(c)CNS/JCM/AFPBB News