【4月22日 People’s Daily】午前6時半、中国吉林省(Jilin)吉林市のスケートリンクでは、30人以上の青少年が練習に集まっていた。

 数年前、ソチオリンピックの短距離スピードスケート金メダリストの李堅柔(Li Jianrou)さんはここでクラブを創設し、後進を育てている。「コーチの多くがアスリート出身で、私たちのために専門的な設備を整えてくれて、マンツーマンで練習計画を立ててくれます。この冬休みで成績を上げられると信じています」と、同クラブの馬禹桐(Ma Yutong)さんは語る。

「スケートを始めてからオリンピックで金メダルを取るまで、私は18年かかりました。今、私は経験をシェアしていきたいのです」と、李堅柔さんは言う。「いつか、子どもたちがオリンピックに出られるようにしたいです」

 吉林省は雪の季節が長く、降雪量も多い。人々のウインタースポーツの基礎がしっかりしており、周洋(Zhou Yang)さんや李堅柔さんなどオリンピックメダリストを育ててきた。吉林省の各地では引退したアスリートを学校のコーチとして招く政策を打ち出している。

 専門的な練習以外にも、吉林省は一般の小中学生がウインタースポーツに親しむ環境づくりに取り組んでいる。

 長春市(Changchun)南関区(Nanguan)の平泉小学校は、1980年代からスケートの伝統がある。

「当時は、冬になれば児童や保護者に働きかけ、弁当箱やお盆や果ては洗いおけまで使って、張った氷を学校へ持って行って寄せ集めのアイスリンクを造りました。体育の先生がたらいを運んで氷に水をかけ、平らでない部分を平らにしていたので、20日はかかりました」と、教師の劉昭輝(Liu Zhaohui)さんは回想する。「今は全く違います。リンクに氷を張るのも、氷面を平らにするのも、行政が資金や設備を出してくれるようになりました」

 平泉小学校のアイスリンクの変化は、吉林省の度重なる努力のたまものだ。学校にアイスリンク造りの設備を設け、児童たちがスキー場でスキーの授業を無料で受ける機会を設けた。2021年末までに、ウインタースポーツに力を入れる学校は557か所にのぼり、440万人の小中学生がウインタースポーツに参加したという。

 学校におけるウインタースポーツ教育だけでなく、吉林省は絶え間なくウインタースポーツインフラの水準を向上させている。毎年400か所以上の公共スケートリンクが開設され、市民のウインタースポーツ参加を推進している。

 吉林市はウインタースポーツ経済の質の高い発展パイロット地区であり、さまざまな産業とのクロスオーバーが試みられている。例えば、長春市の「国際バーサロペット」や通化市(Tonghua)の「雪上マラソン大会」など、多彩な催しが行われている。(c)People’s Daily/AFPBB News