【4月21日 AFP】米首都ワシントンの連邦議会議事堂で20日夜、「脅威となり得る航空機を追跡中」だとして警察が避難警報を発し、人々が一時避難する騒ぎがあった。原因は、近くのスタジアムで米大リーグ(MLB)の試合前に米軍が披露したパラシュート降下イベントだった。

 米議会警察(US Capitol Police)は、午後6時30分(日本時間21日午前7時30分)すぎに最初の警報を発令。2001年9月11日の米同時多発攻撃に加え、昨年1月6日の連邦議会襲撃事件の記憶がまだ生々しい中、米メディアは一斉にトップニュースで伝えた。

 警察はその後すぐに、避難警報は「念のため」発令されたもので、議会への「脅威はなくなった」として建物の再開を発表した。

 ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長によると、警報騒ぎの原因は、MLBワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)が議事堂近くの本拠地ナショナルズ・パーク(Nationals Park)で開催した「米軍感謝ナイト(Military Appreciation Night)」で行われた米軍のパラシュート降下イベントだった。

 警報発令時、議会は開かれていなかったが、ペロシ氏は米連邦航空局(FAA)の対応を厳しく非難。パラシュートを使用したイベントの開催情報を議会警察に知らせていなかったのは「言語道断で許しがたい」とし、「明らかな怠慢により無用のパニックを引き起こした」と怒りをあらわにした。(c)AFP