【4月21日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は20日、核弾頭を搭載できる新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト(Sarmat)」の発射実験に成功したと発表した。

 ロシア国防省によると、ミサイルは弾頭を搭載して北部プレセツク(Plesetsk)宇宙基地から発射され、極東カムチャツカ(Kamchatka)半島の演習場に着弾。プーチン氏はテレビ演説で、「この実に唯一無二な兵器は、軍の戦闘能力を強化し、外部の脅威からロシアの安全を確実に守り、攻撃的な言葉でわが国を脅かそうとする者を再考させる」と述べた。

 サルマトは、欧米のアナリストには「サタン2(Satan 2)」と呼ばれる。極超音速弾道ミサイル「キンジャル(Kinzhal)」や「アバンガルド(Avangard)」と並び、プーチン氏が「無敵」と豪語する次世代ミサイル。ロシアは先月、ウクライナ侵攻でキンジャルを初めて実戦で使用したと発表していた。

 ロシア国防省はサルマトについて、威力・射程ともに世界一のミサイルであり、「わが国の戦略的核戦力の戦闘力を大幅に向上させる」と説明。重さ200トン以上、複数の弾頭を搭載可能で、プーチン氏は地上のあらゆる標的を攻撃できるとしている。発射直後に急上昇する「ブースト」段階が短く、敵の探知を逃れてミサイル防衛システムをかいくぐるよう設計されている。

  映像はサルマトの発射実験とプーチン氏のテレビ演説。20日提供。(c)AFP