【4月20日 AFP】韓国語メディアでこのほど、日本の造幣局さいたま支局で火災が発生したことをきっかけに外国為替市場で円安が進んだとの説明が付けられた火災の写真が拡散したが、フェイクニュースであることがAFPの調査で明らかになった。

 写真には炎に包まれた施設が映っている。韓国語で「日本の造幣局施設で大規模爆発。火災を受けて円相場急落、韓国に緊急支援要請」との説明入りだ。

 この写真がサムネイルになったユーチューブ(YouTube)動画が3月29日に投稿され、これまでに3万6000回以上再生されている。

 動画では、3月28日に造幣局施設で原因不明の火災が発生し、円相場が下落したと音声で説明されている。

  フェイスブック(Facebook)や韓国インターネット大手ネイバー(Naver)のソーシャルメディア「バンド(BAND)」でも同様の投稿が見られる。

 これについて造幣局さいたま支局の広報担当者は4月12日、AFPの取材に対し、火災は発生しておらず、事実無根だと述べた。施設は通常通り操業しているという。

 造幣局さいたま支局の広報担当者は4月12日、AFPの取材に対し、火災は発生しておらず、事実無根だと述べた。造幣工場は通常通り操業しているという。

 AFPも、日本の造幣局施設で火災が起きたとの報道や声明は確認できなかった。

 また、造幣局のウェブサイトに載っている施設の外観と、韓国語メディアに投稿された写真の施設は異なるものだった。

 グーグル(Google)のリバースイメージサーチで写真を検索したところ、米テキサス州ヒューストン(Houston)の地元テレビ局KHOUが、2018年5月8日に変電所の火災として報じた写真と一致した。

 州内のセンターポイント(CenterPoint)変電所の火災を捉えた写真で、「火災が発生したセンターポイント変電所から立ち上る煙と炎」との説明があった。

 AFPは、円安が進んでいることについて、原油など商品価格が高騰する中、日本銀行(BOJ)が長期金利の抑制のため大規模緩和を堅持する姿勢を示したためだと指摘する専門家の見方を伝えている。(c)AFP/Kyu-seok Shim