【4月20日 AFP】ロシアのオンライン銀行最大手、ティンコフ銀行(Tinkoff Bank)の創業者であるオレグ・ティンコフ(Oleg Tinkov)氏は19日、同国軍はウクライナで「虐殺」を行ったと非難するとともに、西側諸国に対し、「ばかげた戦争」を終わらせるよう支援を訴えた。

 ティンコフ氏は2006年にティンコフ銀行を創業。20年に会長職を退き、ここ数年はロシア国外を拠点にしている。同氏は西側諸国の制裁対象になっている。

 ティンコフ氏はインスタグラム(Instagram)に、「二日酔いのロシア軍の将官たちは目を覚ますと、最低の軍を指揮していることに気付いた」と投稿。「この国(ロシア)ではすべてが最低で、縁故主義やごますり、あゆ追従がまかり通っているというのに、軍だけが立派であるわけがない」と指摘した。

 さらに「このばかげた戦争で恩恵を受ける者など一人として知らない。罪のない市民と兵士が死んでいるだけだ」と怒りの声を上げた。

 ティンコフ氏は英語に切り替えると、「親愛なる『西側諸国』へ。どうか(ウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)氏に面目を保てる出口を明示し、この虐殺をやめさせていただきたい。もっと理性的かつ人道的になってほしい」と呼び掛けた。

「ロシア人の90%はこの戦争に反対している」とも指摘。ウクライナ侵攻への支持を示す「Z」マークに言及し、「Zと書くばか者もいるが、どの国にも10%のばか者がいる」と述べた。

 これを受けてティンコフ銀行は声明を出し、ティンコフ氏の発言は「個人的な意見」であり、コメントしないとした。また、同氏はすでにティンコフグループの意思決定に関与していないとするとともに、「長期にわたってロシアを離れている。近年は健康上の問題を抱えている」と説明した。(c)AFP