【4月20日 Xinhua News】中国地質大学(武漢)地球科学学院の韓鳳禄(Han Fenglu)副教授の研究チームはこのほど、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)百色市(Baise)で採取された化石から約2億5千万年前の魚竜を発見したと発表した。

 体長は3メートルほどで、外見はかわいらしく、泳ぎに長けていたと見られる。新属種として「粗壮百色魚竜(Baisesaurus robustus)」と名付けられ、研究成果は国際学術誌「PeerJ」電子版に掲載された。

 化石の修復には3カ月を要したという。化石は主に胴体前半部で、頭骨や大部分の肢骨などの重要部位が欠落していたため、鑑定は困難を伴った。

 比較研究と統計解析の結果、研究チームは最終的に幾つかの重要な特徴を見出した。韓氏は「標本は完全でないが、鰭竜(きりゅう)類など他の海生爬虫類と異なる魚竜類特有の特徴があった」と説明した。

 魚竜は三畳紀からジュラ紀にかけて繁栄した海生爬虫類で、約2億5千万年前に出現し、9千万年前に絶滅した。恐竜とほぼ同じ時期を生きたとされるが、起源と初期進化については解明されていない。これまでに見つかった最古の魚竜は三畳紀前期で、日本やカナダ、北欧、中国の湖北省(Hubei)、安徽省(Anhui)などから発見が報告されている。ただ、体長1・5メートル以下の小型の個体が多く、化石資料や分布範囲も限られている。

 今回の標本は比較的大きく、全長は3メートルに及ぶと推測され、国内でこれまで発見された三畳紀前期の魚竜よりはるかに大きい。復元された姿は現代のイルカに近い。韓氏は「百色魚竜は他の初期魚竜と比べ、長く力強い前肢骨があり、高い遊泳能力を持っていたとみられる。当時の海で高次捕食者の役割を担っていたのだろう」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News