【4月17日 AFP】ウクライナ南部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)について、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は「非人道的」な状況にあると述べ、西側諸国に重火器を直ちに提供するよう求めた。ロシアはマリウポリをほぼ制圧したと主張し、最後の抵抗を続けるウクライナ兵に投降を呼び掛けている。

 マリウポリはロシアの侵攻開始以来、ウクライナ側の激しい抵抗の象徴となってきた。しかし、ロシア政府は16日、完全に掌握したと発表。製鉄所に立てこもって最後の抵抗を続けているウクライナ兵に対し、モスクワ時間17日午前6時(日本時間同日正午)までに武器を捨て、同午後1時(同午後7時)までに製鉄所を立ち退くよう最後通告した。

 ゼレンスキー氏は動画メッセージで、「ロシアはそこにいる全員を意図的に破壊(殺害)しようとしている」と非難。マリウポリの兵士が全滅すれば「いかなる交渉にも終止符が打たれるだろう」「われわれは領土と国民については取引しない」と言明した。

 ミハイロ・フョードロフ(Mykhailo Fedorov)副首相兼デジタル転換相は、マリウポリは「人道的大惨事の瀬戸際」 にあると述べ、ロシア側の残虐行為の証拠を収集していると警告。オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)に「全てを引き渡す。免責されることはないだろう」と述べた。(c)AFP/Daphne ROUSSEAU