【4月17日 AFP】ロシアは16日、ウクライナの首都キーウを再び空爆するなど、各地で攻勢を強めた。一方、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、南部マリウポリ(Mariupol)でウクライナ軍部隊が全滅すれば和平交渉を打ち切ると表明した。

 キーウ南東のダルニツキー(Darnyrsky)地区でこの日、軍需工場がロシア軍の空爆を受け、1人が死亡、複数が負傷した。

 ロシア軍は前日にも、キーウ近郊の対艦巡航ミサイル「ネプチューン(Neptune)」製造工場を攻撃した。ウクライナと米国は、ロシア軍黒海(Black Sea)艦隊旗艦のミサイル巡洋艦「モスクワ(Moskva)」が14日に沈没したのはネプチューンによる攻撃が原因だとしている。

 第2の都市ハルキウ(Kharkiv)でも、住宅街がミサイル攻撃を受けた。検察当局によると、少なくとも2人が死亡、18人が負傷した。

■ゼレンスキー氏「取引しない」

 マリウポリをめぐっては、ロシア側は完全に制圧したと主張しているが、ウクライナ兵は依然、市内の製鉄所に立てこもっている。

 ゼレンスキー氏は「われわれの部隊、(マリウポリの)兵士が全滅させられれば、いかなる交渉にも終止符が打たれるだろう」と言明。「われわれは領土と国民については取引しない」と述べた。

■「モスクワ」乗組員とみられる映像公開

 ロシア国防省は16日、モスクワの沈没後初めて、救助された乗組員が海軍トップと面会しているとする30秒間の映像を公開した。

 ロシア側は弾薬の爆発と火災が沈没原因だと説明しており、500人超の乗組員全員が救出されたとしている。(c)AFP/ Daphne ROUSSEAU