【4月17日 AFP】タイ東北部のダムに浮かぶ無数のソーラーパネルは、2050年までにカーボンニュートラルを目指す同国のクリーンエネルギー政策の象徴だ。

 政府が「世界最大の水上ソーラーファーム」とうたうこの施設は、東北部ウボンラチャタニ(Ubon Ratchathani)県のシリントンダム(Sirindhorn Dam)にある。タイではここを皮切りに、2037年までに15か所の水上ソーラーファームの建設が予定されている。

 昨年10月に稼働を開始したサッカー場約70面分の水面を覆う巨大なソーラーファームには、14万4000枚以上の太陽光パネルがある。発電容量は45メガワット(MW)。日中は太陽光発電、夜間は水力発電を行うハイブリッドシステムとなっている。

 タイは脱化石燃料の取り組みを強化しており、プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相は昨年11月に英グラスゴーで開催された国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、2050年までにカーボンニュートラル、2065年までに温室効果ガス排出量ゼロ(ネットゼロエミッション)とする目標を発表した。

 タイ発電公社(EGAT)はシリントンダムのハイブリッドエネルギー事業について、年間4万7000トンに上る二酸化炭素(CO2)排出量を削減し、2037年までに発電量の約3割を再生可能エネルギーで賄うという政府目標を後押しするものだと説明している。

 EGATは今後、2037年までに国内のダム15か所に水上ソーラーファームを設置し、総発電容量を2725MWとする計画だ。

 映像は2月23日撮影。(c)AFP/Pathom SANGWONGWANICH