南ア、豪雨で306人死亡 死者数は過去最悪
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【4月14日 AFP】(更新)南アフリカ南東部クワズールー・ナタール(KwaZulu-Natal)州のダーバン(Durban)を含むエテクウィニ(eThekwini)都市圏で、60年ぶりとなる豪雨による洪水や土砂崩れが相次ぎ、これまでに306人が死亡した。同国政府が13日、発表した。AFPの集計によると、同国で記録に残る豪雨の死者数としては過去最悪。
国立気象局によると、クワズールー・ナタール州の一部地域では、過去48時間でダーバンの年間降水量の半分近くに当たる450ミリ以上の雨が降った。サハラ以南のアフリカで最も重要な港であるダーバン港に続く主要幹線道路は大きく損傷し、港は操業を停止した。
シリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は、今回の豪雨被害を「大災害」と呼び、「気候変動の一環だ」との見解を表明。気候変動対策は「もはや先送りできない」とし、「モザンビークやジンバブエのような他の国々を襲うこうした悲劇はあるが、現在はわれわれが影響を受けている」と指摘した。
南アフリカの近隣諸国はインド洋上で発生する熱帯低気圧の被害にほぼ毎年見舞われているが、アフリカ最大の工業国である南アフリカが影響を受けることはまれ。今回の豪雨は熱帯低気圧ではなく、冷たい空気と雨を伴う「切離低気圧」が原因。低気圧が温暖で湿度の高いクワズールー・ナタール州に到達したことで、さらなる降雨をもたらした。
同国南部は気候変動の大きな影響を受けており、豪雨や洪水が繰り返し発生。1995年には洪水で140人が死亡している。(c)AFP/John MKHIZE and Linda GIVETASH