【4月13日 AFP】米ニューヨーク・ブルックリン(Brooklyn)地区で12日朝、ガスマスク姿の男がラッシュアワーの地下鉄車内で発煙弾を使用した上で銃を乱射し、10人が撃たれ負傷、さらに6人がけがをした。当局が発表した。

 容疑者は現場から逃走し、警察は大規模な捜索を開始。だが事件はテロとして扱われてはおらず、けが人はいずれも命に別条はないとしている。

 事件は、36丁目駅のホームに進入していた電車の中で発生。警察には午前8時27分(日本時間午後9時27分)ごろ通報があった。ニューヨーク市警が記者会見で明らかにしたところによると、男がガスマスクを着け、かばんから取り出した筒を開けると、車内には煙が充満。男はその後、乱射を始めた。電車は直後にホームに到着。乗客は電車から次々と逃げ出した。

 乗客の男性は米CNNテレビに対し、地下鉄がホームに向かって「ゆっくりと」進入していた際に、自身がいた車両に煙が充満し始めたと説明。「その瞬間は、花火のような音がしたので、銃撃だとは思わなかった」と語った。乗客は車両前方に群がったが、隣の車両に通じるドアは施錠されていたという。

 ソーシャルメディアに投稿された映像には、煙が充満した電車が駅に停車すると、乗客が車両から逃げ出す様子が映されている。中には、負傷しているとみられる人も複数いた。

 ニューヨーク市警はツイッター(Twitter)に、現時点では爆発する可能性のある装置はないと投稿。一方で同市消防局はAFPに対し、現場から複数の「起爆されていない装置」が回収されたと説明した。

 映像前半は事件発生時の地下鉄車内、12日撮影・提供。後半は地上での様子、12日撮影。(c)AFP/Angela WEISS