【4月12日 AFP】パキスタン議会は11日、前日の不信任決議により失職したイムラン・カーン(Imran Khan)前首相の後任として、中道派の最大野党「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)」のシャバズ・シャリフ(Shehbaz Sharif)総裁を選出した。

 新首相の選任に当たっては、カーン氏の側近であるシャー・メへムード・クレシ(Shah Mehmood Qureshi)前外相も立候補していたが、これを取り下げ議員辞職。シャリフ氏が唯一の候補となっていた。

 カーン氏を党首とする「パキスタン正義運動(PTI)」は、下院342議席のうち155議席を占めていたが、同氏を含む大半の議員が投票に先立ち辞職。シャリフ氏は174票を獲得して当選した。

 シャリフ氏は選出後直ちに、月給2万5000パキスタン・ルピー(約1万7000円)の最低賃金の設定や、公務員の賃上げ、農村開発計画など、一連のポピュリスト的施策を発表した。

 首相就任後の初仕事となる組閣では、中道左派の「パキスタン人民党(PPP)」から多数の閣僚を登用しつつ、保守派の小政党「ジャミアト・ウレマ・エ・イスラム(JUI-F)」のメンバーも含める必要がある。

 パキスタンはカーン政権下で米国から距離を置き、重要な経済パートナーである中国やロシアに接近していたが、シャリフ氏はこうした外交方針を見直す可能性もある。(c)AFP/Zain Zaman JANJUA