現場直撃! 三峡ダム下流でカラチョウザメ23万匹を放流 中国
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【4月11日 CGTN Japanese】中国中部、長江沿いの湖北省(Hubei)宜昌市(Yichang)で9日、カラチョウザメ23万匹が放流されました。
放流された23万匹はすべて、水力発電大手・中国長江三峡グループが2009年から繁殖してきた“子二代(人工繁殖2世)”のカラチョウザメで、生後半年の幼魚から13歳の成魚までが含まれています。
長江三峡グループカラチョウザメ研究所の杜合軍博士は、「カラチョウザメは長江水域において重要な生物。その保護は、長江の生態環境の安定にも、海洋の生物多様性の安定にも役立つ。ここ数年は衛星やソナー技術を活用して、マーカーを付けたカラチョウザメを追跡しているが、全体の70%ほどが海に到達していると分かった」と述べました。
今回の放流イベントにボランティアとして参加した方さん(三峡大学4年生)は、「今日はカラチョウザメの輸送を担当した。長江の環境保全は私たち一人ひとりの責任。今後もこのような活動に参加したい」と話しました。
カラチョウザメは長江を代表する生き物で、中国の国家一級重点保護野生動物に指定されています。20世紀後半に天然個体群の規模が急激に縮小し、2017年から19年まで3年連続で自然繁殖が確認されませんでした。
こうした事態を受けて、長江沿岸の各省や市は、長江での禁漁など、水生生物の保全に力を入れています。長江三峡グループは、長江沿岸に4つの希少魚類保護センターを設立して、カラチョウザメを含む10種類の希少魚類の保護と繁殖を進めています。今年までに希少魚類合わせて1000万匹以上が放流されてきました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News