【4月12日 CNS】中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)に住む「90後(1990年代生まれ)」の若者、陳聡(Chen Cong)さんがマンションの警備室で依頼主の合鍵を受け取り、2階の部屋へ向かう。ドアを開けると、ゴールデンレトリバーの「オバ」がうれしそうに尻尾を振って走ってきた。「やあオバ、また来たよ!」

 陳さんは、忙しい飼い主に代わって犬や猫の世話をする 「ペットケア師」だ。この日はオバが最初の相手で、水と食べ物を与え、さらに20分ほど一緒に遊んで料金は30元(約587円)。専用プラットフォームに登録し、昨年初めにこの仕事を始めてから1000件近い依頼を受けている。

「私は動物が大好きで、自分でも犬を飼っています。ペットの世話をするだけでお金を稼げるのはとても幸せです。」陳さんには本職があり、副業のペットケア師で月平均3000元(約5万8783円)の収入得がある。「今年の春節(旧正月、Lunar New Year)連休中は8000元(約15万6756円)以上稼いだ」という。

 空前のペットブームが続く中国で、ペットケア師は新たな職業となっている。成都市のプラットフォーム運営会社の責任者、周彬(Zhou Bin)さんは「2018年末から運営を始め、今では400人近いペットケア師が登録している。大半はペット好きの若者が副業でやっています」と説明する。

 ペットケア師を希望する人は研修を受けた後、プラットフォームに登録する。サービス内容や時間によって料金は30~100元(約587~1959円)程度だ。「市民の生活水準が向上し、ペットを飼う人は増える一方です。成都市内で顧客は5000人を超えており、今後は周辺都市にもサービスを拡大します」と周さん。ペットケア師の仕事は複雑ではないが、「大事なのは顧客との信頼関係。ほとんどの場合、顧客は家にいない。鍵の預かりを含め、十分なコミュニケーションを図ることが肝心です」と話す。(c)CNS/JCM/AFPBB News