【4月11日 AFP】ドイツ各地で先週末にかけ、親ロシア派によるデモが行われた。ドイツ国内のロシア語話者は、同国によるウクライナ侵攻以来、差別に直面していると訴えている。

 ドイツにはロシア系住民120万人、ウクライナ系住民32万5000人がいる。当局は、ロシアとウクライナの紛争が国内に持ち込まれ、ロシア政府の主張を広めるために利用されるのではないかと懸念している。

 金融の中心地フランクフルトでは10日、約800人が参加する親ロシア派デモが行われた。参加者はロシアの国旗を手に、「憎悪と嫌がらせ」に抗議した。

 ウクライナへの支持を示すカウンターデモも行われ、2500人が参加した。「プロパガンダではなく真実と意見の多様性を」と書かれたバナーを持つ人の姿も見られた。

 現場には多数の警察官が配置された。警察は、親ウクライナ派と親ロ派のデモ隊を分けるため、広範囲に規制線を張った。

 ウクライナのアンドリー・メルニク(Andriy Melnyk)駐独大使は、当局が親ロ派デモを許可したことに強く抗議。ドイツにとって「大きな恥」だと非難した。

 北部の都市ハノーバー(Hanover)の警察は、ロシア語話者の呼び掛けで約600台の車両が集結したとAFPに語った。北西部オスナブリュック(Osnabruck)では親ロ派デモに200人が参加。ウクライナ支持のデモの参加者は3500人だった。

 9日には、シュツットガルト(Stuttgart)や北部リューベック(Lubeck)でも親ロ派デモが行われた。(c)AFP