【4月11日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は10日、2月24日のロシアの侵攻開始以来、国外に逃れたウクライナ人は450万3954人に上ると発表した。前日9日だけでも6万2291人が国外に退避した。

 欧州にこれだけ多数の難民が流入するのは第2次世界大戦(World War II)以来。

 ウクライナ当局は総動員令で男性については出国を禁止しているため、国外に逃れた人のうち90%は女性と子どもとなっている。

 国際移住機関(IOM)によると、ウクライナに滞在していた外国人約21万人も出国した。

 IOMの5日の発表によると、国内避難民は710万人に上る。

 クリミア(Crimea)半島と親ロシア派武装勢力が支配する東部を除くウクライナの人口3700万人超のうち、4分の1以上が国内外に逃れていることになる。

 UNHCRがまとめた9日時点のウクライナ難民の主な行き先と内訳は以下の通り。

■ポーランド:259万3902人

 ポーランドは最大のウクライナ難民受け入れ国。国境警察によると、10日時点の流入数は263万人に増えた。

 UNHCRによると、ポーランド国内にとどまる難民のうち、すでに70万人に対し、公共サービスや医療サービスを受ける際に必要となるID番号が付与された。

 一方、国境警察によれば、侵攻開始以来、50万人以上がウクライナに戻った。

 侵攻開始前、ポーランドでは約150万人のウクライナ移民が働いていた。

■ルーマニア:68万6232人

 多くはモルドバを経由して入国し、大半が他国へ移動したとみられる。

■モルドバ:41万882人

 モルドバは欧州で最も貧しい国の一つで、人口は260万人。

■ハンガリー:41万9101人

■スロバキア:31万4485人

■ロシア:40万4418人

■ベラルーシ:1万9096人(7日時点)

 UNHCRが発表した人数には、ウクライナ近隣諸国の出身で、ウクライナを脱出して自国へ戻った人は含まれていない。(c)AFP