【4月11日 AFP】ロシアによるウクライナ侵攻開始から6週間が経過、ロシア軍が撤退した首都キーウ近郊では多数の民間人の遺体が見つかった。ロシア軍は現在、東部を中心に攻勢を強めており、犠牲者は増え続けている。

 ウクライナ当局は10日、キーウを含むキーウ州でこれまでに1222人の遺体が発見されたことを明らかにした。

 第2の都市ハルキウ(Kharkiv)北東部では同日、砲撃で2人が死亡。前日には、南東部で爆撃により子どもを含む10人の民間人が死亡した。

 人口100万人の工業都市ドニプロ(Dnipro)でも、空港がロシア軍のミサイル攻撃で破壊された。地元当局は、死傷者の数は不明としている。

 国連(UN)の10日の発表によると、ウクライナの民間人の死者は累計1793人、負傷者は2439人に上っている。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、ロシア軍による民間人に対する残虐行為を改めて非難。ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相との電話会談後、「すべての戦争犯罪人を特定し、処罰する必要がある」との点で一致したと述べた。

 ウクライナのイリーナ・ベネディクトワ(Iryna Venediktova)検事総長によると、同国当局はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を含むロシア側の政治家や軍人ら計500人を戦争犯罪の「容疑者」として捜査に着手した。

 米国のジェイク・サリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、ロシア側は「大規模な残虐行為」を犯していると非難。「国際社会と協力して責任を追及する」と語った。

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)も、「無防備な市民」が「虐殺されたり残忍な目に遭ったりしている」と糾弾。和平に向け、「復活祭(17日)休戦」を呼び掛けた。(c)AFP/ Herve BAR