全仏優勝ラケットの真贋めぐる裁判、ノア氏の主張認められる
発信地:ベルサイユ/フランス
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【4月9日 AFP】フランス・ベルサイユ(Versailles)の裁判所は8日、元男子テニスのヤニック・ノア(Yannick Noah)氏がオークションで売却した1983年全仏オープン(French Open)優勝時のラケットの真贋(しんがん)をめぐる訴訟で、同氏の主張を認める裁定を下した。
ノア氏の代理人弁護士はAFPの取材に対し「裁判所は売却から30年以上も経過しての訴訟は、明らかに時効であるとのわれわれの主張を認めた」と述べた。
ノア氏は、1986年にフランスのテレビ局が主催したオークションで、その3年前のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)決勝でマッツ・ビランデル(Mats Wilander)氏に勝利した際に使用していたラケットを売却した。
このラケットはテニスファンのピエール・R(Pierre R)さん(2020年11月に死去)が、ノア氏が手書きで本物であることを示した証明書つきで、当時1万2000仏フラン(約2000ユーロ<約27万円>)で落札した。
ところが、2016年にピエールさんが売却を決めた際、専門家は1983年の全仏オープンでノア氏がこのラケットを一度も使用していなかったと指摘。家族は3万5000ユーロ(約472万円)の損害賠償を求め、訴えを起こしていた。
裁判所はこの日「売却から33年が過ぎてから提訴された」として「時効」とみなし、訴訟は「認められない」との判断を下した。(c)AFP