【4月8日 Xinhua News】美的集団や海爾集団(ハイアール)など複数の中国家電メーカーがこのほど、小売価格を引き上げた。関連機関によると、原材料や海上輸送コストの高騰による圧力と、消費の落ち込みに直面し、家電産業の海外進出とハイエンド化が競争の新たな焦点となっている。

 市場調査会社の北京奥維雲網大数据科技(AVC)のデータによると、今年に入り、家電のオフライン販売の平均価格が上昇している。3月27日時点で、エアコンは前年同期比388元(1元=約19円)上昇の1台当たり4025元、冷蔵庫は810元上昇の5981元、洗濯機は415元上昇の3961元だった。

 家電小売価格の上昇は消費需要を抑制している。AVCのデータによると、年初から3月27日までのオフラインの販売量は、エアコンが前年同期比21・0%、冷蔵庫が24・5%、洗濯機が25・6%それぞれ減少し、売上高はエアコンが13・0%、冷蔵庫が13・2%、洗濯機が16・9%それぞれ減少した。

 中国では現在、従来型家電の普及率が飽和状態に近づいている。家電産業の競争は、薄利多売から市場の細分化に合わせた高級家電の販売へと移行している。

 ドイツの市場調査会社GfKによると、2021年のゲーム用テレビの平均売上高は前年比57%増となり、70インチ以上のテレビは49%増、スマート冷蔵庫は33%増、スマート洗濯機は71%増だった。一方、家電全体の平均売上高の伸びはわずか11%で、高級製品が市場の成長をけん引する重要な原動力となりつつある。

 海外輸出も家電ブランドの新たな成長分野となっている。

 ハイアールは11年以降、日本のアクア、ニュージーランドのFisher&Paykel、米国のGEA、イタリアのキャンディの4ブランドを買収し、グローバル販売網を構築してきた。11~20年の海外売上の年平均成長率は33%で、売上高全体の半分を占めた。東北証券によると、25年における同社の各国・地域別冷蔵庫・洗濯機・調理家電の総売上高は、21年比で日本が6・1%、オーストラリアが19・3%、北米が31・4%、西欧が14・9%それぞれ上昇する見通しとなっている。

 国家統計局と税関総署のデータによると、21年の家電製品の累積輸出額は前年比14・1%増だったが、国内の家電・AV(音響・映像)機器小売額は10%増にとどまり、輸出の伸びは国内小売を上回った。(c)Xinhua News/AFPBB News