【4月6日 AFP】ロシア軍による包囲が続くウクライナ南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)の市長は5日、AFPの取材に対し、人が「住めない」状態になっていると明らかにした。

 ワディム・ボイチェンコ(Vadym Boichenko)市長は「約12万人の市民が残っている。人道的惨劇の段階は超えてしまった。市民は過去30日間、暖房も水も何もない状態だ」と話した。

 ボイチェンコ氏は、マリウポリから北西に約200キロの場所にあるザポリージャ(Zaporizhzhia)で、記者団の取材に応じた。

 同氏はAFPに、「全員を避難させることが重要だ。危険な状況ではなく住めない状況だ。市民を全員市外に退避させるため、複数のパートナーと調整を試みている」と語った。

 3月13日以降、約10万人が市外に避難したという。

 同氏はさらに、ロシア軍は市民に対し見捨てられ、政府は助けるための方策を取っておらず、救援は来ず、避難の支援もないと信じ込ませようとしていると訴えた。「(ロシア軍は)市を孤立させている。インターネットは切断されており、市民は政府の情報を得られなくなっている」

 市長は今週、ロシアの侵攻以来、市の90%が破壊され、インフラの40%が修復不可能だと明らかにしていた。(c)AFP