【4月6日 AFP】米首都ワシントンにある連邦議会議事堂にどう猛なアカギツネ(レッドフォックス)が少なくとも2日間にわたって出没し、民主党議員らを怖がらせている。

 警察は5日、議場でキツネに「襲われた、かまれた」という通報を多数受けたと警告した。最初に伝えたのは保守系FOXニュース(Fox News)だった。

 警察はキツネを捕獲して自然に戻すため、直ちに動物管理官を派遣。数時間後、ソーシャルメディアにケージに入ったキツネの写真を投稿し「捕獲完了」とキャプションを添えた。

 オンライン政治マガジン、パンチボウル・ニュース(Punchbowl News)によると、アミ・ベラ(Ami Bera)下院議員(民主党)は4日夜、理不尽な形でキツネに襲われてにらみ合った後、警察に救助された。

 医師でもあるベラ氏は「突然何かがふくらはぎにぶつかってきた」とパンチボウルに語った。

 ベラ氏にけがはなかったが、「念には念を入れて」狂犬病ワクチンを接種することにしたという。

 ベラ氏は「FOXニュースに出る時は攻撃を覚悟しているが、キツネに襲われるとは思わなかった」と述べた。

 SNSに相次いだ目撃情報によると、キツネはリスを食べたり、議事堂の緑地で日光浴をしたりしていたようだ。2021年の議事堂乱入事件を指す「insurrection(反乱)」とかけて、「infurrection(獣の反乱)」と呼ぶ人もいた。

 首都ワシントンの複数の野生動物専門家によると、アカギツネは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の間に個体数を増やしてきた。

 スミソニアン国立動物園(Smithsonian's National Zoo)の野生生物生態学者ビル・マクシャ(Bill McShea)氏は雑誌「DCist」に対し、「騒音も交通量も干渉も減った。アカギツネの生活は改善している」として、「新型コロナに良い面があるとすれば、野生動物の側にだろう」と指摘した。(c)AFP/Frankie TAGGART