【4月6日 AFP】米大リーグ(MLB)の新シーズンが7日、予定より1週間遅れて開幕する。リーグが近年続いたスキャンダルからの前進を目指す中、投手と捕手はサイン盗み対策の新たなテクノロジーを選択肢として使えるようになる。

 物議を醸したヒューストン・アストロズ(Houston Astros)のワールドシリーズ制覇から5年、リーグは5日、各チームが「ピッチコム」と呼ばれる新たな装置を使うことを認めると発表した。

 ピッチコムは投手と捕手が直接コミュニケーションを取れるようにするウエアラブル端末で、これがあれば従来のように指を使ってサインを伝達する必要はなくなる。端末には球種やコースを表す九つのボタンがついていて、捕手は前腕にはめた端末でメッセージを送信。投手はキャップにつけたレシーバーでサインを受け取る。

 この新テクノロジーには、試合のスピードアップという狙いもあり、春季キャンプなどでテストされて広く支持を得た。

 コロラド・ロッキーズ(Colorado Rockies)で投手コーチを務めるスティーブ・フォスター(Steve Foster)氏は「投手が他の誰かに知られずサインを受け取れるようになるものなら何でも、われわれは正しい方向へ進んでいる」という。

 前週、システムを初めてテストしたニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のルイス・セベリーノ(Luis Severino)投手も「素晴らしいと思う」と好印象を口にし、「最初は少し疑っていたが、使い始めたらとてもいい感じだった。次に投げる球がすぐに分かる」とコメントした。

 他の変更点としては、ナ・リーグでもア・リーグと同様の指名打者(DH)制が正式に採用されることになった。プレーオフの枠も各リーグ6チーム、合計12チームに拡大され、新たに2チームがポストシーズンの争いに加わることになった。

 各ブックメーカーでは今のところ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で短縮された2020年のワールドシリーズを制覇したロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)が優勝の1番人気となっている。(c)AFP