【4月6日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)広漢市(Guanghan)で3月29日、三星堆(Sanxingdui)博物館の新館建設プロジェクトが着工した。新館は現在の博物館敷地内に建設される。区画面積は約4万4千平方メートル、延べ床面積は約5万5千平方メートルで、既存施設の5倍の規模になる。

 現在の二つの展示館の延べ床面積は計1万800平方メートルだが、新たな発掘調査で出土遺物が増えるにつれ、既存の展示スペースでは収容しきれなくなっていた。2020年10月に新館とビジターセンターのコンセプト設計案の公募が開始され、中国建築西南設計研究院の総建築師(チーフアーキテクト)、劉芸(Liu Yi)氏のチームがデザインした「堆列三星、古蜀之眼」が選ばれた。

 現在は新館の総設計師(チーフデザイナー)も兼ねる劉氏によると、新館のデザインは三星堆遺跡から出土した青銅仮面の目から着想を得た。「古蜀の目」を意味する曲面造型を「三星伴月」と呼ばれる同遺跡の景観に呼応させたという。新館は曲線の外壁で旧館とつながり、遺跡の環境との調和と融合を図っている。

 劉氏は自らのデザインについて「規模としては最も壮大ではなく、最も『溶け込んだ』ものの一つだった。博物館は自らを誇示するだけであってはならない。遺跡環境全体の要求に見合い、博物館の持つ文化と機能需要を十分に理解したものでなければならない」と説明。現在の博物館は多様性を持つ総合的な新たな形の文化施設であり、展覧や収蔵、研究、教育、ソーシャルなど多元的な機能を備えているとし、新館も大距離、大空間のフレキシビリティーな展示室モデルを採用し、将来の展示設計に柔軟性を持たせたと語った。

 三星堆博物館は1997年10月に開館し、三星堆遺跡の1、2号祭祀坑から出土した貴重な遺物千点以上を展示している。劉氏は過去に成都天府美術館や成都現代美術館などの設計も手掛けており、成都天府国際空港の主要設計者にも名を連ねている。(c)Xinhua News/AFPBB News