■漁師をやめ、資源ごみを売って生活

 強烈な悪臭がする北西端の湾岸部で、元漁師のジルシネ・ゴメス(Gilciney Gomes)さん(61)は水中から引き揚げたという大量のペットボトルの一部を見せた。

 ゴメスさんの住まいから近い湾の先端には、かつて中南米最大規模だったごみ処理場ジャウジン・グラマーショ(Jardim Gramacho)がある。

 2012年に閉鎖されたが、岸辺にはプラスチックごみや使用済みのおむつ、服、タイヤ、家具、家電などが散乱している。地元の漁師や環境保護団体によれば、近隣の大手薬品会社や石油会社の施設や工場からは有害な産業汚染物質も垂れ流しにされている。

 湾では、漁師として生計が成り立つほどの魚やカニがとれなくなったとゴメスさんは言う。今は子どもの頃のように、集めた資源ごみを売って生活している。

「すっかり、ごみあさりが私たちの仕事になってしまった」とゴメスさん。

 それでもアグアス・ド・リオには期待している。「州に50年も任せてきたが、このありさまだ。あの会社に5年やらせても悪くないだろう」 (c)AFP/Joshua Howat Berger