【4月2日 AFP】ロシアで1日、春の徴兵が始まった。ロシア軍ではウクライナ侵攻により、これまで1000人以上の兵士が死亡しているが、政府は徴兵者をウクライナでの戦闘に派遣することはないと言明している。

 ロシア軍は春と秋の年2回、18~27歳の男性を招集し、1年間の兵役を課す徴兵制をとっている。兵役は名目上では義務とされるが、多くの国民は高等教育機関に進学したり、招集に応じなかったりして徴兵を免れている。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は今回、13万4500人の採用目標を設定した。

 プーチン氏は先月8日、ウクライナでの軍事作戦に徴集兵や予備兵を派遣しないと宣言。だがロシア軍の報道官はその翌日、一部の部隊で誤ってウクライナに派遣された徴集兵がいたことを認めた。大半は帰還しているが、中には捕虜になった兵士もいるとされる。

 匿名の米政府高官は今週、機密扱いを解除された情報として、プーチン氏が徴集兵のウクライナ派遣を把握していなかったと指摘した。

 ロシアの独立系メディアやボランティア組織は、職業軍人になるための入隊契約に署名するよう圧力をかけられ、戦線に送られた徴集兵もいるとしている。

 ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は1日、徴集兵はウクライナに派遣されないと改めて強調した。(c)AFP