【4月1日 Xinhua News】中国半導体受託生産大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)が3月30日、2021年12月期決算を発表した。華虹半導体も同月29日に発表しており、半導体大手2社の業績拡大は中国半導体産業の急成長を反映しており、2社の増産加速は、半導体産業が引き続き好調を維持し、構造的な生産能力の逼迫が続くことを意味している。

 SMICの決算は、売上高が前年比29・7%増の356億3100万元(1元=約19円)、当期純利益が2・5倍の107億3300万元、非経常項目を除いた純利益が3・1倍になった。増収と業績向上については、主力事業の売上高が30・0%増の350億8100万元で、うちウエハー受託生産が34・0%増の321億3400万元だったと説明。ウエハー受託生産部門の売上高に占める割合を使途別に見ると、スマートフォン用が32・2%(前年は44・4%)、コンシューマエレクトロニクス用が23・5%(前年は18・2%)、スマートホーム用が12・8%(前年は17・1%)、その他が31・5%(前年は20・3%)だった。

 華虹半導体の決算は、売上高が過去最高の16億3080万ドル(1ドル=約122円)で前年比69・6%増えた。粗利益率は3・3ポイント上昇の27・7%、当期純利益は6・9倍の2億3100万ドルだった。端末市場別では、各製品とも大幅な増収となり、うち工業・カーエレクトロニクスの売上高が55・1%増の3億1600万ドルとなった。

 世界的な半導体需給逼迫は19年後半から続き、増産がファウンドリの主流になっている。SMICと華虹半導体はともにフル稼働しており、22年も生産能力の拡大を続ける見込みとなっている。

 SMICは、21年の売上高研究開発費比率が5・4ポイント下がったことについて、主に売上高の増加と、生産能力の逼迫により一部の研究開発能力を生産に投入し、顧客のニーズを確保したと説明。「22年の計画生産能力の増加分は21年以上になる」との見方を示した。また、22年の経営計画については、引き続き既存工場の拡張と新工場3カ所の建設を進めるため、投入のピークになると強調。資本支出が320億5千万元に上るとの見通しを示した。

 華虹半導体も生産拡大の加速を22年の主要目標として設定。引き続き無錫工場の12インチ生産能力を拡大し、年内に月間9万枚以上にするとともに、8インチと12インチを強化し、トップレベルのパワー半導体プラットフォームを構築すると明らかにした。(c)Xinhua News/AFPBB News