【4月1日 AFP】失語症を理由に俳優業引退を発表したブルース・ウィリス(Bruce Willis)さん(67)にはしばらく前から症状の悪化が見られたとされ、映画制作者にとっては驚くようなことではなかったと米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)が報じた。

「ダイ・ハード(Die Hard)」シリーズなどのアクション映画で知られるウィリスさんは、撮影中に周囲の状況を十分に把握していないように見える場面や、プロデューサーの指示でせりふを短くしたにもかかわらず、言葉に詰まる場面もあったとされる。

 映画『アウト・オブ・デス(Out of Death)』のマイク・バーンズ(Mike Burns)監督は「ブルースとの仕事の初日から、問題を抱えているのが見て取れた」として、背後にもっと大きな問題を抱えていることやせりふを短くするよう指示された理由が分かったと語った。

 低予算映画『White Elephant(原題)』のジェシー・ジョンソン(Jesse Johnson)監督は同作品の撮影開始時と数十年前に仕事をした時のウィリスさんを比較して「私の記憶にあるブルースでないことは明らかだった」と語った。

『White Elephant』の制作スタッフによると、ウィリスさんは撮影時、「君がここにいる理由は分かる。君がここにいる理由は分かる。だが、私はなぜここにいるんだ」と述べたという。

 ジョンソン監督はウィリスさんともう一作品を撮ることを提案されたものの「前作の経験から、もう一作はないとチームとして判断した」と述べ、「私たちは全員がブルース・ウィリスのファンなので、この提案は間違っており、最終的に彼の素晴らしいキャリアに悲しすぎる結末を告げるものになると思った。快く引き受ける気にはならなかった」と説明した。(c)AFP