【4月1日 AFP】ジョージアからの独立を宣言している親ロシア派地域の南オセチア(South Ossetia)は3月30日、ロシア編入の是非を問う住民投票の実施を表明した。これに対しジョージア政府は翌31日、「容認できない」と非難した。

 ロシアは2008年にジョージアとの間で起きた軍事衝突の後、南オセチアとアブハジア(Abkhazia)の親ロ派2地域を独立国家として承認。以降、現地に軍を駐留させている。

 南オセチアの指導者アナトリー・ビビロフ(Anatoly Bibilov)氏は、同地域が4月10日に実施する「大統領選挙」の直後に住民投票を行うとしている。

 これに対しジョージアのダビド・ザルカリアニ(David Zalkaliani)外相は、「容認できない」と非難。欧州人権裁判所(ECHR)が南オセチアをロシアの占領地域と認定しており、占領下の領土での住民投票には法的効力がないと指摘した。

 一方、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、ロシアはこの問題に関し、いかなる「法的」措置も取っていないと述べた。

 ビビロフ氏の報道官は31日、ロシア通信(RIA)に対し、ロシアのウクライナ侵攻により、住民投票実施の好機が訪れたと説明した。ビビロフ氏は先週、ウクライナでロシア軍を支援するため、南オセチアから部隊を派遣したと発表していた。

 2008年8日に起きた紛争では、南オセチアの親ロ派勢力と武力衝突したジョージアを、ロシアが攻撃。欧州連合(EU)の仲介により、交戦は5日後に終了したが、700人以上が死亡し、数万人のジョージア人が避難民となった。(c)AFP