【4月1日 Xinhua News】消化しきれない食べ物を消化管内に蓄積し、小さな塊として吐き出す。科学者が最近、1億6千万年前に空を飛んでいた「中国鯤鵬翼竜(Kunpengopterus)」にこうした習性が備わっていたことを発見した。翼竜から食塊の存在が確認されたのは初めて。食塊に含まれていた食べ物の残りかすから、科学者は、中国鯤鵬翼竜がどの成長段階でも一貫して「古鱈魚」(古代のタラ科の魚)を主食にしていたと推測している。

 研究を主導した中国科学院脊椎動物・古人類研究所の蔣順興(Jiang Shunxing)副研究員によると、中国鯤鵬翼竜は、二大翼竜群の間の進化・過渡段階の一種で、成体は翼長約0・7~0・8メートル。今回の研究の標本は、遼寧省西部で採取したもので、成体標本と幼体標本が1体ずつあり、それぞれの大きさは倍ほどの差がある。

 二つの食塊は、翼竜の骨格化石の近くで見つかり、それぞれの大きさも翼竜の体型に合っていた。大きい方は紡錘状でカンラン(橄欖)ほどの大きさ、小さい方は亜円形で人の指の爪ほどの大きさだった。

 蔣副研究員は、今回発見したものを翼竜のふんではなく、食塊だと判断した理由について、中国鯤鵬翼竜の腰帯(ようたい、人間の骨盤に相当)の幅より大きく、ふんとして体外に排泄することはあり得なかったと説明。食塊に含まれていた食べ物の残りかすは主に、比較的完全な状態の魚の硬いうろこで、翼竜のふんの中から見つかったたくさんの細かな破砕物による構造とは全く異なっていたという。

 中国鯤鵬翼竜が何を好んで食べていたのかを確かめるため、研究者は二つの食塊に含まれていたうろこと、化石と同じ地層で唯一見つかった古鱈魚のうろこを比較した結果、小さな食塊に含まれていたうろこは、古鱈魚のうろこと大きさや形が非常に似ていることを突き止めた。一方、大きな食塊に含まれていたうろこはその約3倍大きく、一般的に見られるものよりはるかに大きい古鱈魚のものと推測された。

 今回の研究により、中国鯤鵬翼竜の食性は幼年期から成年期まで、個体の発育に伴って変化しないことが証明された。(c)Xinhua News/AFPBB News