【4月6日 People’s Daily】中国の次世代運搬ロケット「長征8号遥2」の飛行試験が2月27日午前11時6分、海南省(Hainan)の文昌衛星発射センターで行われ、ロケットは正常に飛行した。ロケットには22機の衛星が搭載され、1台のロケットで多数の衛星を打ち上げる新記録を作った。

 一度に多数の衛星を打ち上げることは打ち上げ効率の向上とコスト削減につながる。この難技術を実行しているのは世界でも一握りの国だけで、中国は2015年に長征6号で20機の衛星を打ち上げている。

 長征8号は中国が独自に開発した中型運搬ロケット。今回の8号遥2はロケットブースターを使わず、無毒・無公害の噴射剤を採用している。全長48メートルで離陸重量は198トン、離陸推進力は240トン。太陽同期軌道では3トンの輸送能力を持つ。

 22機の衛星は対地観測、低軌道のモノのインターネット(IoT)通信、空間科学試験などに使われ、資源調査やIoTデータの収集、軌道上の科学・技術テスト、船舶情報処理などを行う。

 1台のロケットに22機の衛星をどのように搭載するのか。専門家によると、ロケットに3段式の衛星分離システムを開発し、限られたスペースにそれぞれの衛星の「座席」を設けた。また、衛星がロケットから分離する際のロック解除方法や分離エネルギーの違いをシミュレーションし、12回の分離活動で22機の衛星がロケットから「下車」するようにした。

 中国航天科技集団(CASC)第1研究院の長征8号ロケット総指揮者、蕭耘(Xiao Yun)氏は「衛星の『相乗り』方式により、事業者にとって低コストな打ち上げが可能となり、宇宙事業に参入する敷居が大幅に低くなる」とメリットを語る。(c)People’s Daily/AFPBB News