ロシア軍、撤退ではなく再配置 米国防総省
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【3月30日 AFP】米国防総省は29日、ウクライナの首都キエフ近郊に進軍していたロシア軍部隊のうち「少数」が戦列を離れるのを確認したとしながら、撤退ではなく他の地域での「大攻勢」に備えた再配置だとの見解を示した。
国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は「キエフ包囲のため集結した部隊の大多数は依然現地にとどまっている」とした上で、「キエフから離れ始めたのは少数のみで、そのほとんどは北に向かっている」と説明した。
ロシアのアレクサンドル・フォミン(Alexander Fomin)国防次官はこの数時間前、「ウクライナの中立化と非核化をめぐる合意に向けた準備のための協議が現実的な段階に入ったことを受けて、キエフおよびチェルニヒウ(Chernigiv)周辺における軍事活動を大幅に縮小する」と発表していた。
カービー氏は「ロシアはキエフ制圧という目的を達成できなかった」とする一方、「キエフへの脅威がなくなったわけではない」とも語った。
さらに「この動きを撤収または撤退とは呼ぶことはまだできない」として、「ロシアの狙いはおそらく他の地域を優先するための部隊の再配置だろう」と述べた。
カービー氏は「他の地域での大攻勢に備えて用心しなければならない」とし、東部ドンバス(Donbas)地方でロシア軍の攻勢が「激化」している点を指摘した。(c)AFP