【3月30日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は29日、ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされた危機に対処する中でも、米国はアジア太平洋地域での戦略を「強く」推進していると述べた。

 シンガポールのリー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相をホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)に迎えたバイデン氏は、世界の「ルールに基づく秩序」は「前例のない課題」に直面しているが、米国はウクライナ危機により脱線することはないと説明。「欧州の危機に対処していても、米政権はインド太平洋戦略の実施を迅速に進めることを強く支持する」と述べた。

 また、バイデン氏は米国を「誇り高きインド太平洋国家」と表現。中国が国際貿易路の支配強化を試みているとの米政府の懸念を念頭に、「自由で開かれた」インド太平洋を維持したいと述べた。

 貿易ハブであるシンガポールは、米中両国と良好な関係を維持することを望んでいる。リー氏は、バイデン氏が「中国はもちろん、中国以外の国とも」関係を深めることを望むとし、米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)とのより緊密な関係構築を要請した。(c)AFP/Sebastian Smith