【3月29日 AFP】フランス南東部モンペリエ(Montpellier)で26日、中央アフリカで19世紀に作られた木彫りの仮面が競売にかけられ、420万ユーロ(約5億6000万円)で落札された。会場では、ガボン人が仮面の「返還」を求めて抗議を行った。

「ヌギル(Ngil)」の仮面は、ガボンの少数民族ファン(Fang)が儀式で使っていた希少なもの。

 会場の後方にいた男性が「盗難品だ」と声を上げる場面もみられた。数人の仲間と一緒にいた、モンペリエ在住のガボン人だという男性は「提訴するつもりだ。私たちの祖先、私の祖先、ファン人の共同体から盗まれた仮面を取り戻す」と述べ、仮面は「植民地時代に略奪されたものだ」と訴えた。

 抗議を行ったガボン人らは、落ち着いた様子で、警備員に付き添われて会場を後にした。

 競売を実施したジャンクリストフ・ジュゼッピ(Jean-Christophe Giuseppi)氏は、自分が知る限り競売は「まったく合法だ」と述べた。(c)AFP