【3月29日 AFP】バングラデシュ政府高官は28日、ミャンマーから逃れてきたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)難民が開設した学校を閉鎖したと明らかにした。

 2017年のミャンマー国軍による弾圧以来、バングラデシュには約85万人のロヒンギャ難民が避難している。

 バングラデシュ当局は昨年12月以降、ロヒンギャが開設した学校を相次いで閉鎖している。

 匿名で取材に応じた政府高官は「単に、適切な許可なしに学校を開設することは受け入れられないということだ」と説明した。

 先週閉鎖されたカヤプリ(Kayaphuri)は、教員や経済的に余裕がある難民の家族が出資し、ロヒンギャ難民指導者モヒブ・ウラー(Mohib Ullah)氏が創設した。ウラー氏は昨年9月、難民内の対立する勢力に射殺されたとされている。

 カヤプリは難民が開設した学校としては最大で、約600人の生徒がミャンマー国内と同じカリキュラムで学んでいた。

 生徒の一人、ムハンマド・モシャラフ(Mohammad Mosharraf)さん(19)は、学校が閉鎖されたのは最終試験期間の最中だったと語った。武装した警官が学校で唯一のコンピューターに加え、長椅子やホワイトボードを持ち去ったという。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)もロヒンギャ難民キャンプで学校を運営しているが4~14歳が対象となっており、15歳以上の難民はマドラサ(イスラム神学校)や私設の学校に通わざるを得ない。

 バングラデシュ政府はロヒンギャ難民に教育施設を提供してない。(c)AFP/Sam JAHAN