【3月29日 AFP】アゼルバイジャンはこのほど、アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)に侵入し、戦略的要所の村を制圧した。これを受けてアルメニアは28日、同地に駐留するロシアの平和維持部隊に対し「具体策」を講じるよう要請した。

 アゼルバイジャン軍は24日、ナゴルノカラバフのファルーフ(Farukh)を制圧した。

 ナゴルノカラバフをめぐっては、2020年にアゼルバイジャンとアルメニアの間で軍事衝突が発生。ロシアが停戦を仲介し、現在は同国の平和維持部隊約2000人が駐留している。

 ロシア国防省は27日、アゼルバイジャンはファルーフから部隊を引き揚げたとの見方を示した。一方、アゼルバイジャン側は、軍は村にとどまっているとしている。

 アルメニア外務省は28日の声明で、アゼルバイジャン部隊の侵入に対し、ロシアの平和維持部隊がいかなる対応をしたか調査するよう要請したと明らかにした。アゼルバイジャン軍が依然、村にとどまっていることも認めた。

「ナゴルノカラバフに駐留するロシアの平和維持部隊が、管轄地域へのアゼルバイジャン軍の侵入を終わらせるため、具体的な措置を講じることを期待する」としている。

 ナゴルノカラバフをめぐる緊張が再び深刻化すれば、ウクライナに多数の部隊を投入しているロシアは難局に直面する可能性がある。(c)AFP