【3月27日 AFP】2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)アジア最終予選のオーストラリア戦で2得点を挙げ、本大会で日本の秘密兵器になる可能性を秘める三笘薫(Kaoru Mitoma)は、決定力不足にあえぐブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(Brighton & Hove Albion FC)でイングランド・プレミアリーグの舞台に立つことを目指している。

 24日に敵地シドニーで行われたオーストラリア戦で三笘は、途中投入後の数分間で2点を決めて日本は2-0で勝利し、カタール行きの切符を手にした。

 代表わずか2キャップ目でヒーローとなった24歳の三笘は、ブライトンのグラハム・ポッター(Graham Potter)監督が昨夏、Jリーグ1部(J1)の川崎フロンターレ(Kawasaki Frontale)から獲得に乗り出した理由を明確に示した。フロンターレで三笘は、60試合以上に出場し30得点を記録した。

 現在プレミアリーグの得点数でワースト3位のブライトンは、4年契約を交わした三笘に経験を積ませるため、今季はベルギー1部のユニオン・サン・ジロワーズ(Union Saint-Gilloise)に武者修行に出した。

 ベルギーで躍動する三笘は、今季序盤のセラン・ユナイテッド(RFC Seraing)戦では0-2のビハインドで投入されハットトリックを達成するなど、大方の予想に反し首位に立つチームでリーグ戦19試合に出場し、5得点を挙げている。

 高校卒業後、プロに転向せず大学進学を選んだ三笘は、ベルギー1部からプレミアへのステップアップには壁があるものの、現在欧州でコンスタントにプレーしており、順調に前進している。

 日本が4位に終わった昨年の東京五輪でメンバー入りした三笘は、「世界中のさまざまなタイプの選手と戦っていて、それに順応しつつある」とコメント。「そのことで幅が広がっているし、できることが増えている。日本にいたときよりも自信がある」と成長を実感している。

 雨のシドニーで三笘は、リバプール(Liverpool FC)でプレーする南野拓実(Takumi Minamino)から主役の座を奪った。

 ゴール前で決定力を欠いた南野との交代で投入された三笘は、そのわずか5分後に冷静なフィニッシュで日本にリードをもたらした。

 さらにアディショナルタイム4分、オーストラリアのDF陣を次々と抜き去った三笘は、最後は相手GKマシュー・ライアン(Mathew Ryan)がシュートをこぼし2点目を挙げた。

 日本代表の森保一(Hajime Moriyasu)監督は、今予選ほとんどの試合で特定のメンバーに固執したが、彗星(すいせい)のごとく現れた三笘はカタールで主役を演じることを望んでいる。

 右利きながらどちらのサイドでもプレーできる三笘は、「どんな状況でも、1分でも結果を残さないといけない世界。多いに越したことはないけれど、その中で結果を出したい」と話す。(c)AFP/Andrew MCKIRDY