【3月26日 AFP】ロシアの軍事侵攻からイスラエルに逃れてきたウクライナの女子陸上選手ワレンチナ・ベレツカ(Valentyna Veretska)が25日、エルサレム・マラソン(Jerusalem Marathon 2022)で優勝した。大会主催者が明らかにした。

 2時間45分54秒で女子の部を制したベレツカは、ウクライナとイスラエルの両国旗を掲げてフィニッシュラインを通過した。

 エルサレム(Jerusalem)旧市街(Old City)を走る今大会には、31歳のベレツカをはじめ約40人のウクライナ人が参加し、この時期には珍しく悪天候で気温が低い中でのレースに挑んだ。

 ベレツカは娘とともにロシアによる侵攻から逃れ、隣国ポーランドを経由してイスラエルに向かった。しかしながら、大会主催者によれば夫は母国に残って従軍しているという。

 母国の情勢について関心を高めるためにイスラエルでのレースに参加したと明かしたベレツカは、レースを主催する自治体の中継で、「声を上げて、この戦争を終わらせるべく皆さんに結束を促すために、このマラソンに出場した」とコメント。

 さらに「体はここにあっても、不安がぬぐえない」と話し、「これは現実なのだと皆さんに知ってもらいたい。ウクライナでは現実に戦争が起きている」と訴えた。(c)AFP