【3月25日 AFP】北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は25日、金正恩(Kim Jong Un)総書記の現地指導の下で24日、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17(Hwasong 17)」を発射したと報じた。また、国営朝鮮中央テレビ(KCTV)はミサイル発射時の映像を公開した。核抑止力を強化し、米国の「帝国主義者」をけん制する狙いがあるとしている。

 北朝鮮によるICBM発射は2017年以来で、高度も飛距離も従来の実験を上回ったとみられる。

 火星17は2020年10月に初公開され、アナリストに「怪物ミサイル」と呼ばれている。これまで発射実験が成功したことはなかった。

 KCNAは「平壌国際空港(Pyongyang International Airport)から発射されたミサイルは最高高度6248.5キロまで上昇し、1090キロの距離を4052秒飛行し、公海上の予定水域に正確に着弾した」と伝えた。

 ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下し、日本政府が非難する事態となった。しかし、KCNAは「近隣諸国の安全に配慮し、垂直発射方式で」発射されたと説明している。

 KCNAによると、金氏は「(北朝鮮は今や)いかなる軍事的脅迫にも動じない、恐るべき軍事力と技術力を保有」しており、「米国の帝国主義者との長期的な対決に向けて万全の準備を整えていく」と述べた。

 映像はKCTVが公開したものの一部。25日提供。(c)AFP