【3月27日 Xinhua News】中国国家航天局は24日、中国の火星探査機「天問1号(Tianwen-1)」の周回機の近火点(火星に最も近づく点)がこのほど、火星探査車「祝融号(Zhurong)」が探査するエリアの上空を再び通過し、探査エリア内の0・5メートル解像度の画像を撮影したと発表した。画像からは、祝融号の走行経路がはっきりと識別できる。

 24日時点で、祝融号は火星表面で306火星日(1火星日は約24時間39分)稼働し、走行距離は累計1784メートル。天問1号の周回機は軌道上を609日間周回し、地球からの距離は2億7700万キロになる。両機とも正常に稼働している。

 祝融号も火星の表面から自撮り画像を送信した。着陸直後に撮影した画像と比較すると、祝融号の表面が薄く砂をかぶっていることがわかる。祝融号のリモートセンシングデータから、太陽光発電パネルを搭載した回転翼の発電効率に多少の影響はあるものの、エネルギーは十分足りていることが分かった。祝融号の回転翼は砂ぼこりに覆われた状態でも対応できるよう特別に設計されており、砂ぼこりによる発電効率の低下に対処するさまざまな措置を講じることができる。ただ、今のところ対処の必要はなく、祝融号が走行し探査を続けるには、現状のエネルギーで十分だという。

 火星の砂嵐は、祝融号のエネルギー取得に直接影響するため、以前から注目されてきた。研究チームは、天問1号の周回機の中解像度カメラが取得した画像を通じて火星の砂ぼこりと天気の観測を続け、1月下旬から火星の北緯60度以北のエリアで明らかな砂嵐現象が発生し始めたことを発見した。画像からは、2月にこのエリアで局地的な砂嵐が発生し、地上の地理的な目印が大量の砂ぼこりに覆われ、判別しにくくなっていることが分かる。

 火星の北半球は現在、秋に入り始めている。これまでの探査データの分析によると、秋は火星で砂ぼこりが発生しやすい季節だが、祝融号の探査エリアでは今のところ目立った砂ぼこりは観測されていない。

 天問1号の周回機は、火星を周回するリモートセンシング探査を続け、クレーターや火山、峡谷、干上がった川床などの典型的な地形や地質ユニットに重点を置き、高解像度の画像を取得している。今月7日、ジェゼロ(Jezero)クレーターのイメージング中に、米国の火星探査車「パーシビアランス」を撮影した。現在の位置は、着陸地点の南東約200メートルの地点になる。(c)Xinhua News/AFPBB News