【3月25日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長がロシアのウクライナ侵攻を支援していると中国を非難したことについて、中国は24日、NATOの主張こそが「偽情報の拡散」だと反発した。

 中国はウクライナ侵攻に関して同盟国ロシアを非難しておらず、ウクライナへの人道支援の面でも多くの国に後れを取っている。

 ストルテンベルグ氏は23日、「中国は見え透いたうそや偽情報を流すなどしてロシアを政治的に支援している。ロシアのウクライナ侵攻を物質的に支援しかねないとの懸念もある」と非難した。

 さらに中国について「国連安全保障理事会(UN Security Council)常任理事国としての責任を果たし、ロシアのウクライナ侵攻への支援を控え、この戦争の即時かつ平和的な解決を求める各国と足並みをそろえるべきだ」と訴えた。

 これを受けて中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は24日の定例会見で「中国がウクライナに関する偽情報を流していると非難すること自体が、偽情報の拡散に当たる」と反発。「中国の立場は大半の国の望みと一致している。中国に対する根拠のない非難や疑惑は打ち砕かれることになるだろう」と主張した。

 さらに「わが国はウクライナについて、大国間の駆け引きの最前線ではなく東側と西側の懸け橋になるべきだと常々主張してきた」と述べた。

 中国は停戦実現に向けて仲介役を果たす意向を示しているが、行動は見せていない。(c)AFP