【3月24日 CNS】子ども用の口紅やアイシャドーにマニキュア…。中国では子ども用化粧品が年々増加し、若い親や子どもたち自身に求められている。

 中国では顔の善しあしが恋愛や人間関係作り、就職、ひいては収入に関わるとして「顔値(顔面偏差値)」という言葉が定着。化粧や美容、フィットネス、ファッションなど見た目にかかわるビジネスを「顔値経済」と呼んでいる。そうした流れを受け、化粧品の低年齢化も進んでいる。

 2020年に実施した第7回国勢調査データによると、中国の0〜14歳人口は全体の17.9%の約2億5000万人。市民の生活が豊かになり、子ども向け産業は新たな大市場となっている。統計によると、毎年少なくとも5000万人の子どもが化粧品を使用し、2020年の子ども用化粧品の消費量は前年比で300%も増加した。SNSでは「フォトジェニックメイク」「仙人風」「油絵タッチ」など、子どもたちがさまざまなメイクをして写真を投稿している

 一方で化粧品として正式な申請をしないまま販売している企業も増えている。今年1月1日には「子ども用​​化粧品の監督と管理に関する規定」が発表された。子ども用化粧品に対する初の取り決めで、製品の監督を強化する。

 上海応用技術大学(Shanghai Institute of Technology)国際化粧品学院化粧品学部の張倩潔(Zhang Qianjie)准教授は「一部の子ども用化粧品は『おもちゃ』として販売されており、成分表示が不十分で品質が保証されていない」と指摘。子供の肌の角質層は薄いため、着色料や粉末原料、香料、防腐剤などはよりデリケートさが求められ、アレルギーなどの副作用を防ぐ必要があるとしている。(c)CNS-文匯報/JCM/AFPBB News