【3月23日 AFP】女子テニス、世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)が23日、25歳の若さで引退を発表し、テニス界を驚かせた。

 キャリアの絶頂期に、若くしてテニスを離れた選手はバーティが初めてではない。ここでは、早期引退を決断した名選手5人を取りあげる。

■ビョルン・ボルグ(26歳)

 スウェーデンのビョルン・ボルグ(Bjorn Borg)は、1970年代後半から1980年代前半にかけて男子テニスを席巻し、全仏オープン(French Open)優勝6回、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)では5連覇を達成した。

 ところがその後の1983年1月、26歳のときに突然の引退を発表。決断の主な理由は燃え尽き症候群だった。

■マルチナ・ヒンギス(22歳)

 1997年、スイスのマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis)は16歳3か月で全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)を制し、20世紀最年少の四大大会(グランドスラム)シングルス王者に輝いた。3月には史上最年少で世界ランキング1位に上り詰めた。

 しかし足首のけがにも苦しめられ、2003年2月に22歳の若さで引退。それまでにグランドスラム5勝を挙げ、世界1位在位は合計で209週を数えた。

 その後の2006年に復帰し、主にダブルスで活躍してグランドスラム10勝を挙げたが、シングルスで四大大会決勝の舞台へ戻ることはできなかった。

■ジュスティーヌ・エナン(25歳)

 ベルギーのジュスティーヌ・エナン(Justine Henin)も2008年、バーティと同様に世界1位に立っていた25歳のときに、引退というショッキングな決断を下した。グランドスラム7勝を挙げた一方で、エナンは長引くコンディション不良と疲労に苦しんでいた。

 その後に短期間だけ現役に復帰し、2010年の全豪では決勝に進出したが、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)に敗れて優勝を逃した。そして2011年に完全に現役を退いた。

■アンディ・ロディック(30歳)

 米国のビッグサーバー、アンディ・ロディック(Andy Roddick)は、30歳で迎えた2012年の全米オープン(US Open Tennis Championships)で、これが現役最後の大会になると発表した。

 12年のプロキャリアではシングルス32勝を挙げ、世界ランク1位にも立ったが、ウィンブルドンでは決勝で3度涙をのんだ。2009年大会決勝ではロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と、最終セット14-16に及ぶ激闘を繰り広げた。

 全米オープンでは4回戦でファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)に敗れ、これが現役最後の試合となった。引退の理由として、ロディックは負傷とモチベーションの枯渇を挙げた。

■キム・クライシュテルス(23歳)

 ベルギーのキム・クライシュテルス(Kim Clijsters)は、2007年5月に23歳で引退した。そこまでの短いキャリアで、2005年の全米オープン制覇を含め、シングルス34勝を積み重ねていた。

 引退の理由としては、けがとの闘いと、トップにとどまるための絶え間ない努力が、ダメージとして蓄積していたことを口にした。しかしその後に復帰し、2009年から2011年にかけて全米オープン2勝、全豪オープン1勝と見事な復活を遂げた。

(編集部注:クライシュテルスは2012年の引退後、2020年から再び復帰し、現在も現役を続けている)(c)AFP