【3月23日 AFP】(更新)女子テニス、世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)が23日、自身のインスタグラム(Instagram)で現役引退を電撃発表した。バーティは自身の夢をかなえ、「肉体的に出し切った」と話している。

 バーティは1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)で地元勢としては44年ぶりとなる大会制覇を果たし、三つの異なるサーフェスで四大大会(グランドスラム)を制した数少ない選手となったばかりで、25歳の若さでの引退にテニス界には衝撃が走っている。

 バーティは「きょうは難しい日で、感情があふれているが、テニスからの引退を表明する」と明かし、「このスポーツが与えてくれたすべてに感謝している」とつづった。

 インスタグラムに投稿した動画には、親友でダブルスの元パートナーでもあるケーシー・デラクア(Casey Dellacqua)氏も同席。バーティは涙ぐみながら「今が辞め時で、別の夢を追いかけるためにラケットを置くタイミングだと分かっている」と説明し、引退については「ずっと前から考えていたことだった」と明かした。

 2年以上にわたり世界ランク1位に君臨し、グランドスラムでは2019年の全仏オープン(French Open 2019)と2021年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)、今年の全豪オープンと計3勝を挙げたバーティ。

「私にとっての成功とは、持てるすべてを出し尽くしたと自分で分かること。今は満たされているし、満足で、自分のベストを引き出すのがどれだけ大変かも分かっている」と話し、「単純に、もうそれをする力が自分の中に残っていない。肉体的な活力も、気持ちの面での渇望も、最高レベルで自分に挑戦するのに必要なものはもう何も持っていない」と述べた。

「完全に出し切ったのが、自分で分かったと思っている。肉体的に、もうこれ以上は出せないという自覚がある。私にとってはそれが成功」

 引退を受け、女子テニス協会(WTA)もツイッター(Twitter)に「このスポーツの素晴らしいアンバサダーになってくれてありがとう」と投稿し、「アッシュ、私たちはあなたがいなくてさびしくなるでしょう」と惜しんだ。(c)AFP/Martin PARRY