【3月23日 AFP】ロシアの裁判所は22日、収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(45)に対し、詐欺や法廷侮辱の罪で新たに懲役9年の判決を言い渡した。

 ロシアでは最近、反体制派や政府に対する反対意見への前例のない弾圧が行われている。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の急先鋒(せんぽう)に立ってきたナワリヌイ氏は判決後、インスタグラム(Instagram)への投稿で、「プーチンは真実を恐れている」と指摘。ウクライナに侵攻したプーチン政権を「戦争犯罪人たち」と呼び、ロシア国民に対し抵抗を呼び掛けた。

 裁判は、首都モスクワから東に約100キロ離れたポクロフ(Pokrov)でナワリヌイ氏が収監されている収容所で行われた。傍聴したAFPの記者によると、裁判官はナワリヌイ氏が「組織的に財産を窃盗する詐欺行為に及んだ」と認定した。

 ナワリヌイ氏は昨年、過去の詐欺事件で言い渡されていた懲役刑の執行猶予を取り消され、収監された。2年6月の刑期のうち、これまでに約1年を終えたが、弁護団によると今回の判決は現在の刑期に置き換えられ、今後8年服役することになる。

 また今後は、管理体制が大幅に厳しい矯正労働収容所に収監される。さらに罰金120万ルーブル(約140万円)の支払いや、釈放後約1年半にわたる移動などの制限も科せられた。(c)AFP