【3月21日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は21日、1か月近く自国への侵攻を続けているロシアに軍事攻撃を中止させる圧力を強めるため、欧州諸国の首脳に対し、ロシアとのすべての貿易を停止するよう呼び掛けた。

 ゼレンスキー氏はビデオ演説で、「ロシアの戦争兵器のスポンサーにならないでほしい。占領者にユーロを渡さないでほしい。ロシアに対し、すべての港の閉鎖を。自国製品の対ロ輸出中止を。(ロシア産)エネルギー資源の拒否を。ロシアがウクライナから撤退するよう働き掛けを」と要請した。

 バルト3国をはじめとする欧州連合(EU)の複数の国は、ロシア産の原油や天然ガスに対する禁輸措置を求めている。ロシア産エネルギー資源の禁輸に反対する姿勢を示しているドイツに対しては、「(ドイツには)強さがある。欧州には強さがある」と直接語り掛け、再考を促した。

 一方、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官はこれに先立ち同日開かれた記者会見で、欧州によるロシア産原油の禁輸について、実行されれば「すべての人に打撃」を与えかねないと警告。「こうした禁輸措置は世界市場に深刻な影響を与え、欧州大陸のエネルギーバランスに最悪の影響をもたらすことになる」とけん制した。(c)AFP